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執筆者の写真大竹 洸希

Solanum uleanumについて

更新日:2021年9月20日

最近多く流通が見られるSolanum uleanumについて、しらべられるだけしらべたので忘備録的にまとめます。


※これは素人が論文を翻訳しまとめたものです。誤り等あればご指摘くださいますと、幸いです。


記載


Repertorium specierum novarum regni vegetabilis.(Repert. Spec. Nov. Regni Veg.)

v.12(1913) P.139

Bitter氏により1913年、上記のジャーナルに於いて記載されたようです。

こちらはラテン語で記載された論文で、残念ながら私には理解が難しいものでした。また、これ以上は遡れませんでした。まだまだ学力が足りないことを実感します。




詳しく解説された論文


Curtis&apos s Botanical Magazine

v.18(4): P.194-199

National History MuseumのSandra Knapp氏による論文です。

これに記載されている内容をもとに、解説していきます。



・発見の経緯と種小名について

種小名はドイツのGeorg Bitterが、その同胞であるErnst Heinrich Georg Uleに献名したものです。

Uleは19世紀後半、プロイセンで園芸家として経験を積み、1883年にブラジルへ行き、そこで29年間を過ごします。彼はブラジル国内の広範囲の標本を集め、また遠く離れた地点にまで赴きました。本種のタイプ標本は、彼の最後の遠征で採集されました。


・分布について

Knapp&Helgason(1997)で引用された、Uleにより採集された2つの標本はブラジル東部で発見されたもので、これはペルー、ボリビア、ブラジルの国境沿いの分布を見落としている可能性を示唆しているとされています。

本種は小さなうちは美しい紫色ですが、成長に従い緑色になり、樹木の高い位置まで伸びあがるため、気付かれなかった可能性が指摘されています。


・栽培について

Kewでは、ココナッツベースの培養土で、ハンギングなどで栽培されるようです。

用土は常に湿った状態を保ち、空中湿度も高い状態を維持されます。温度は16~20℃。だいぶ低めですね。

液肥はごく薄めたものを週一回、光量を適切に調整すると、よく成長するようです。挿し木で簡単に増やすことが可能で、空中湿度が高ければしばしば気根を成長させます。

病害虫としてコナカイガラムシの蔓延に要注意とのことです。

状態が悪化した際は、ポリ袋にて低温密閉管理することで、立て直すことが可能とのこと。

余談ですが、Kewで栽培されている個体は1994年にドイツ、ベルリン植物園より挿し木苗が紹介されたとのこと。ただし、アンデスからドイツに導入された経緯は不明なようです。



謎に満ちていたように感じたSolanum uleanumですが、なんとなくわかったのではないでしょうか。

当方での栽培では、温度は23度まで、湿度は80~90%、光量は1000~1500lx程度が適切と感じます。まだまだ珍しい(2021/09/16現在)ものですが、次第に普及することでしょう。


最後に、当方はまだ研究者ではありません。未熟もんですので、上記内容は話半分程度で解釈していただけるとよいかと思います。参考論文は明記していますので、原著をあたっていただければ正確と思います。




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