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執筆者の写真大竹 洸希

刺胞動物に関しての忘備録

草じゃないやん!



店主の趣味が9割以上の海水無脊椎動物、まぁ主に刺胞動物ですが、時折販売なども行います。

Twitterなどチェックしてくださいね。


さて、このページでは、ほとんどやらかしの忘備録です。

これからややマニアックな海水の無脊椎動物を始める方の手助けになれば幸いです。。。


1. タマイタダキイソギンチャクの導入失敗


これに関しては原因明確です。

ヨロイイソギンチャクに刺されました。

以上。

ヨロイイソギンチャクの刺胞毒は結構強いようで、これに刺されたタマイタダキイソギンチャクは刺された箇所から崩壊してしまいました。

要注意ですね(そもそも普通は水槽にヨロイイソギンチャクを入れねぇよというツッコミはナシで。)



2. 小型イソギンチャクの止水瓶飼育


これは小型のイソギンチャクを市販の瓶で簡単に飼育しようと思い始めたものです。

実際に検証した結果は以下のとおり。

・コモチイソギンチャク ×

・ベリルイソギンチャク △

・ヨロイイソギンチャク △

・ウメボシイソギンチャク △

・モンバンイソギンチャク△

・スズナリイソギンチャク △

・タテジマイソギンチャク ◎

・ヒメイソギンチャク ◎

・ヒオドシイソギンチャク ◎

・カワリギンチャク ◎

・ベニヒモイソギンチャク ◎

・オヨギイソギンチャク◎


まずはコモチイソギンチャクですね。ダメでした。

なぜかわかりませんが水質の悪化が早く、うまく定着しないまま溶けてしまいました。

次に△の子たち。

この子たちは瓶内でも飼育可能でした。しかし問題だったのは、触手を開いてくれない点。

やはり水流がないとあまり動いてくれない印象です。

最後に◎の子たち。

この子たちはつい先日まで、3ヶ月以上維持していました。溶けた原因は出張中の水質悪化です。基本的に水換えは1週間に一度、餌はブラインシュリンプかクリルを水換え前日に与える形です。

カワリギンチャクに関しては意外や意外、水換えのために一時的に移したものをそのまま忘れた結果、瓶での飼育となりました。現在も飼育継続中。水換え頻度も非常に少なく、月に一度です。

ベニヒモイソギンチャクに関してですが、この子は水質の悪化がやや早いです。注意が必要でしょう。現在は小型の水槽でエアレーションと簡易フィルターで飼育中です。

オヨギイソギンチャクに関しては別途後述します。



3. クラゲの止水飼育に関して


これですが、結果としてほぼ失敗です。

試したクラゲはアカクラゲ、ミズクラゲ、カミクラゲ、カギノテクラゲ、サカサクラゲ、ウリクラゲです。

成功したのはサカサクラゲ。

微妙だったのがカミクラゲとウリクラゲ、カギノテクラゲです。

サカサクラゲは言わずもがな止水でOK、基本的に沈んでいますから。

微妙だったウリクラゲ、カミクラゲの2種に関してはそもそも長期の飼育ができていません。冷蔵庫内で飼育していましたが、えさやり後の水質悪化が早く、水換えが追いつかなかった結果です。

カギノテクラゲに関しては、長時間底に沈んでいると良くないようです。べったりと床面に沈んでしまうと拍動が止まり死んでしまいます。サンゴ砂を敷いて、前面が床につかないよう凹凸をつけたところやや長持ちしました。基本的には何かに捕まって生活していますので、海藻などを入れてやった結果長持ちしました。

餌やりは結構頻繁にやり、水換えはその翌日に全換水です。

餌やりをしないとあまり動かなくなってしまい、それが良くないように感じました。

それ以外の種に関しては、遊泳能力がやや弱いためか底に沈んでしまい、ダメになってしまいました。。。


4. クラゲの簡易飼育に関して


これは100均の容器とエアポンプ、エアチューブ、エア調節弁のみの節約飼育を試みた結果です。

ミズクラゲ、アカクラゲ、ギヤマンクラゲ、ワタボウシクラゲ、ウラシマクラゲを試しました。

まずミズクラゲは半年以上の実績ができました。

それ以外の種も同様にうまく飼育することができることが判明しました。

まず小型の個体を容器に入れ、エアチューブを底面まで伸ばします。

エアーは弱く調節し、大きな泡が0.5秒おきに浮き上がる程度にします。

すると良い感じに弱い水流が生まれ、時々気泡に揉まれながらもうまく飼育できました。

水換えは餌やりの翌日を基本としますが、そもそも小型の個体は餌やらないとみるみる縮んで死んでしまうので、結果的にはほぼ毎日行うことになります。

注意点はエアーに関してで、クラゲは総じて傘の内側に気泡が入ると弱って死んでしまいます。最初の数時間は頻繁に観察し、気泡が入らないように調節してください。気泡が入った場合は速やかにひっくり返し気泡を抜いて再調整してください。また日頃の観察も重要で、うまく調整できても何かの拍子に気泡が入ることがあります、要注意です。またギヤマンクラゲとアカクラゲに関しては、エアチューブ自体に触手が絡まってしまうことが多々あります。これも要注意。


5. オヨギイソギンチャクの長期飼育に関して


まず当方での飼育条件を箇条書きに。

・瓶での飼育

・サンゴ用LEDの至近照射

・餌やり頻度は週に一回、水換えはその翌日

・エアレーションはなしで完全止水

・海藻や床材なども一切なし


これでなんと増殖までこぎつけました。まぁ最後は出張中に水質悪化で死んでしまったわけですが。。。

まず瓶での飼育です。水量は500ml程度、通常サイズで3匹までいけます。水換え頻度がそこそこなのでエアレーションは不要でした。

次に水流なのですが、当初ある程度の水流を確保し飼育していた際、徐々に縮んで死んでしました。足盤筋が弱く剥がれやすい印象を受け、もしかしたら体力を余計に消耗させていたのでは、と思い止水で飼育しました。するとなんと縮む速度がゆっくりに。

次にライトですが、おそらくこれが最も重要です。よく考えればそもそもアマモなどが繁茂する場にいるわけですから、相当な日照があるはずです。触手のペタつきが少なく、ブラインシュリンプ程度しか食べてくれなかったため、飼育下ではほとんどのエネルギーを褐虫藻に頼っていると考えます。

最後に増殖です。といっても分裂による無性生殖なのですが、、、

分裂というよりバラバラに近いです。急速に縮まり元気がなさそうになった後、突然体部分が溶けて触手が散らばります。そしてこの散らばった触手をそのままにしていると、なんとそこから復活を始めます。

これは十分な光量がないといけないようで、その辺のLED下では確認できませんでした。



6. スナイソギンチャクに関して


スナイソギンチャクの飼育に関してのメモです。

まず足盤筋が弱く、フィルターに吸い込まれがちです。

あまり自力で潜ってくれなかったので、人為的に砂に埋めてしまいました。

餌はメダカ、頻繁にやらないと縮みます。

触手の自切は確認できず。

です。光はさほど必要ない様子でした。

最後は水質悪化、濃度上昇とともに死亡。



7. マダラハナギンチャクに関して


こちらもほとんどメモみたいなもの。

足盤はなくニョロっとしているだけで、棲管をもちます。これは自力で再建できます。

人為的に埋めてしまった方が早いです。

餌はあまり大きいものは食べられない様子で、ブラインシュリンプを毎日のように与えるハメに。

光はさほど必要なし。

現在も飼育継続中です。


8. クサビライシに関して


とにかく丈夫で意外と死なない。

45cm水槽でマメスキマー、外部濾過フィルター60cm水槽用。

サンゴ用ライトを照射、比重は0.26くらいまで耐えます。

継続飼育中。



9. ウリクラゲの水温に関して


23度では耐えられず死亡。18度である程度維持可能。

いくらかの人工飼料を作ったところ、まれに反応するものの他の櫛クラゲほど反応しないため、さらなる改良が必要です。



10. ムカデメリベに関して


とにかくイサザアミへの食いつきが良い。イソスジエビは微妙。ヨコエビは捕食するが、飽きるのか途中から食べなくなってしまいます。

死んだ甲殻類は反応すらしません。

水温は23度で問題なし。

最後は餓死と思われます。イボを自切しぐったりとして動かなくなり、そのまま死亡。

入手時は消化管に内容物が確認できたものの、餌を与えつつも徐々に内容物が確認できなくなったことから、餓死っぽいと判断しました。相当量の餌を必要とする可能性がある…?

要検討。



11. ケスジヤドカリとヤドカリイソギンチャクに関して


入手時にすでにケスジヤドカリの飢餓により一部が捕食され、その部位から溶け出し死亡。

ケスジヤドカリは丈夫だが、水を酷く汚すので頻繁な換水が必須です。餌はササミや両生類用の人工飼料。



12. ミナミウミサボテンに関して


外掛け式フィルターで30cm水槽で10匹を飼育、問題はありません。

水温は23度。

給餌はせず、植物育成ライトを照射。伸縮のタイミングはバラバラで予想できませんでした。

導入時は床材を多めに入れた水槽に投げ込んだのみ。次第に自分で潜っていったので問題はありませんでした。

現在も継続して飼育中。


ひとまずはこんな感じです。

今後もいろいろ手を出すので、乞うご期待。








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