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オガタテンナンショウ(Arisaema ogatae)について

現在12月、テンナンショウのほとんどはすっかり休眠中です。

少し時間ができましたので、テンナンショウの紹介記事を。

今回はA. ogatae、ツクシテンナンショウ/オガタテンナンショウの紹介です。


Arisaema ogataeの仏炎苞アップ


さて、オガタテンナンショウ(記載時はツクシテンナンショウ、以下本種と呼称する)は1919年、緒方松蔵氏により宮崎県高穂町黒仁仙にて採取された標本をもとに、1925年に小泉源一氏により記載されました (Koidzumi l925)。


本種の特徴は以下の通り

・花序付属体は太く円柱状で、やや短い

・小葉数は5〜7枚

・頂小葉はやや小さい

・小葉先端がやや細く伸びる

・開花期は5月ごろ

・宮崎、熊本、大分に分布



本種は小葉数が5〜7枚と少なく葉軸が発達しないこと、葉鞘(偽茎)が全高の半分程度であること、また太平洋側のブナ帯に分布することなどより、Hotta(1968)および芹沢(1981)においてユモトマムシグサ群に含まれていましたが、小林, 邑田らによる2010年の調査報告によれば、ユモトマムシグサ群(ユモトマムシグサ/イシヅチテンナンショウ、以下では前者と呼称する)とは以下のような違いが認められ、更なる検討が必要であると結論づけられています。

・花梗/葉柄長比が前者に比べ半分程度である

・小葉の最も幅の広い部分が前者ではほぼ中央なのに対し、本種では中央より上にある

・前者は早咲き型なのに対し本種はその形質が当てはまらない

・本種の偽茎の葉鞘口はゆるく葉柄を包むようにして波打っている(前者ではオドリコテンナンショウをのぞきこの形質は当てはまらない)


以下参考写真です。





本種ですが、自生地では個体数が大変少なく、数カ所すでに絶滅した自生地も存在するとのこと。わずかながら分球による増殖を行うため、個体数はゆっくり増やせそうです。

うまくいけば2、3年以内には実生できそうなので、どうにか存在する個体数を増やしたいですね。

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