Selaginella(クラマゴケ)属の栽培に関して

最終更新: 8月23日


Selaginella nipponica (タチクラマゴケ), 越生町, 埼玉県


Selaginella属は皆さまご存知と思いますので、概要や分類はまたの機会として、ひとまず栽培法に関して、じっくり記載したいと思います。


自生地

まずは自生地を見てみましょう。といっても国内のものなので、あまり興味がない方は読み飛ばしてしまってくださいね。


Selaginella remotifolia (クラマゴケ)伊豆, 静岡



Selaginella uncinata (コンテリクラマゴケ)越生, 埼玉



Selaginella nipponica (タチクラマゴケ) 越生, 埼玉, 厳冬期に霜が降りた様子


上記の感じで、おおよそ温帯に分布するSelaginellaの自生環境を掴んでいただけると幸いです。国産種は結構凍っても大丈夫ですが、外国産種や南方系の種は冬場は霜除か加温するのが無難でしょう。


屋外での栽培


次に、屋外での栽培方法に関してです。

屋外で栽培する対象になるのは、国産種はじめ温帯・地中海に分布する種です。

屋外で栽培する際は、必ず日陰で栽培します。

当方での遮光は、90%遮光のネットを使用し、上面と東・西側に垂らしています。


Selaginella kraussiana 'Sole Green'とS. k. 'Bronsiana'、園芸品種でAzores島が原産。世界中で帰化している。


屋外で栽培する場合は、砂系用土が良いでしょう。

ミズゴケを屋外で使用すると、常に湿った状態になるため傷みが早くなります。

上記画像の2種は屋外で穴を開けた発泡スチロール箱に植え込んであり、棚下で管理しているものです。赤玉と鹿沼の中粒を1:1で混合したもので、通気性を重視しています。



Selaginella apoda


上記画像はプランター用の用土で試験的に植え込んだもの。栄養分がよく含まれている分綺麗に育っています。

このようにもこもこと茂るタイプのSelaginellaは蒸れに弱く、室内での栽培には不向きなことが多いです。

基本的には通気よく、また適度に間引くことが重要です。



Selaginella apoda


こちらは軽石に植え付けたもの。

砂系用土を使用したため繁りすぎず、程よいサイズ感で収まってくれています。

このように茂るとしばらく鑑賞していたくなりますが、要注意。

夏場などは特に蒸れやすく、中心から枯れ込んでしまいます。




Selaginella involvens (カタヒバ)山梨県


上記は屋外でミズゴケ植えのもの。植え付けから2ヶ月ほどでミズゴケ表面が緑色になり始めています。

採取されたばかりのものや、また株分けしてすぐのものなどはミズゴケで養生しますが、半年ほど経過した段階で砂系用土に植え替えを行います。



Selaginella sibirica (エゾノヒモカズラ)北海道


上記は高山植物として知られるエゾノヒモカズラ、暑さに弱いと思われがちですが、実は蒸れに弱いだけです。

砂系の用土に植え付け、風通しの良い場所で乾燥しないよう薄く腰水管理をするとよく育ちます。本種のような高山型のSelaginellaは例外的に日照を好みます。真夏以外はよく日光に当ててやりましょう。



Selaginella sanguinolenta var. compressa (ヒメタチハリガネカズラ) 韓国/中国?


上記は”ハリガネカズラ”として古くから山野草として親しまれる小型のSelaginellaです。

本種も蒸れに弱いため、砂系用土で風通しよく育てます。

屋内栽培も可能ですが、その場合は光を強めに当てる必要があります。

この仲間では珍しく乾燥に強いものです。日陰で育てると青々と伸び伸びと、気持ちよく育ちます。反対に、日向で育てると引き締まってワイルドに育ちます。




Selaginella martensii

Selaginella sp. China


上記二つは陶器鉢に植え込んだもの。あまり日が経っていないですが、ミズゴケを使用し山状に盛り上げて植え付けてあります。

これらも風通しの良い日陰で栽培します。



Selaginella biformis (イヌカタヒバ) 沖縄本島


上記はイヌカタヒバ。国内の自生地では絶滅が危惧されていますが、帰化している地域ではたくさん生えているものです。

本種は直射日光を当てて栽培すると赤く染まり美しいものです。

また寒さ暑さに強く、肥料分を少なめに栽培すると小さいまま栽培でき、盆栽の下草として人気が高いです。



以上、屋外での栽培例です。

これらに共通するのは、風通しです。屋外で栽培する際は案外湿度は問題ないようです。

またカタヒバ型に成長する種は地下茎が生きていれば問題はなく、順化に失敗しても比較的楽に復活します。


屋内での栽培


屋内での栽培、こちらの方が本題かもしれません。

こちらに関しては栽培法がほとんど共通していますので、まずは一通り栽培例を載せておきます。