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執筆者の写真大竹 洸希

インドネシア便紹介3

今回は同定が完了したSelaginellaに関して言及します。


Kapuas Hulu産 Selaginella brooksii "NM-PV便”


非常に大型で硬質のSelaginellaで、肉眼でもはっきりと腹葉、背葉が区別できます。











上の画像が主な識別点の拡大画像です。


さて、本種の同定ですが、こちらもたわし集め氏(@tawashiatsume)。

氏より頂いた同定ポイントは以下のとおりです。


・中心柱が1、2本までしか発達しないMonostelicaeグループに属す。

・這う主な茎から分岐枝を生ずる。

・茎は無毛で、中くらい~やや大きくなる種類で、末端の分岐枝は幅4 mmより広くなり、茎は直径3/4 mm以上になる。

・担根体は分岐枝が生じる部位よりも離れた部位からも生じる。

・背葉は込み合って付き、主な茎でも少し離れて付く程度である。

・腹葉は左右不対称の楕円状で、あまり鎌形に曲がらず、先端は尖らないか少し尖る程度。基部上側は心形にくびれ、基部下側は丸みを帯びる。長さは9 mm程度まで、幅は4 mm程度まで。ごく弱い鋸歯縁を帯びるか、下側は全縁で先端部と基部でごく弱く鋸歯縁になる程度。

・背葉は、楕円状で長さは4、5 mmまで。先端は丸くなるか尖らない。辺縁はごく弱い鋸歯縁を帯びる程度。

・胞子葉は単一の形で、三角楕円状、先は尖り、辺縁は弱く鋸歯縁となる。長さは2、3 mmまで。


なお、上記に使用されている訳語は正確な専門用語がないため、人によって使用する単語が異なる場合があるとのこと、参考程度にお願いします。


検索などでは標本以外がヒットしませんが、Borneoでは自然度が高い低地熱帯雨林でさほど珍しい種類でないようです。ネットでヒットしない理由ですが、Selaginellaを同定できる人がまずほとんど存在しないため、とのこと。

本種と思われる類似した種は検索するとsp.として比較的よくヒットします。


というわけで、シダやヒカゲノカズラの仲間は自力での同定ができないため依頼する形となっていますが、こういった形で主にSelaginellaの正体を解明していきたいと思います。


では、続きをお楽しみに!



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